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zoom RSS 第2話その5 政府のとった景気浮揚政策がもたらしたもの

<<   作成日時 : 2007/03/06 02:40   >>

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「ゼロ金利政策と銀行団による赤字国債の引き受け」というこのシステムは、銀行救済のためのシステムですが、多くの一般企業に対してはどうだったのでしょうか?

  確かに「ゼロ金利政策」によって有利子負債の多い企業にとっては、支払利息負担は軽くなりましたが、その効果は景気を底上げするには微々たるものでした。

日銀の「ゼロ金利政策」以外で政府が直接実施した景気浮揚政策は、お定まりの「法人税減税」程度でしたが、多くの企業が赤字がわずかな利益しか上がらない状況では、ほとんど効果はなく、救済策と呼べるような代物ではありませんでした。

  政府は何とか萎縮しつつある経済を活性化させようと、既存の企業郡の業績回復を待つだけではなく、積極的に新産業の起業支援を図りました。本来1000万円の資本金を必要とする株式会社を「1円」で設立できるとする特例法を制定し、IT産業を新産業の柱として育てあげようとする積極姿勢を示しました。

 長きにわたって株価低迷に悩む証券市場も、これをビジネス・チャンスとしてとらえ、新興企業向けの市場を次々と創設し、IT産業の上場・投資を煽りました。これが一時的に発生したITバブルです。これはまさにミニバブルともいうべきもので、銀行預金ゼロで嫌気のさした個人投資家がハイ・リターンを求めてIT企業の株に群がったのでした。

  時を同じくして、この頃からインターネットによる株取引が一般化し、個人でも自宅でオンライン・トレードが可能となり、デイ・トレーダーという個人投資家が急増しました。国民が地道に汗を流して働くというのではなく、マネーゲームによってカネを稼ぐという風潮が広がってきたのです。これはあれほど懲りたはずのバブル期と同じ動きです。人間の欲というものは懲りるということを知らず、実に限りないものだということを見せ付けられた思いです。

ホリエモンはまさにこの時代の仇花とも言うべき象徴です。ホームページの制作会社にすぎず、IT分野において何ら画期的な技術力も持たないような会社が上場を許され、そこに投資家が群がり、莫大な上場利益を手にしたのです。

  特別な製品や技術力といった基盤を持たない会社ですから、新たな技術開発にその資金を投ずることもなく、勢い手にした資金を運用することにのみ注力することになっていくのでした。ライブドアはIT企業ではなく、単なる投資家(金融会社)に変身していったのです。

  村上ファンドも同じようにゼロ金利政策に満足しない富裕層から資金を集め、株投資を繰り返し多額の収益を上げていきます。しかし本来ならばただ一人だけ毎回毎回投資に成功するはずはありません。成功の要因はそうインサイダー取引にありました。

  その村上ファンドにゼロ金利政策の総責任者である日銀の福井総裁が投資し、巨額の投資利益を得ていた・・・・。これは言語道断です。許すべからざる事態だとは思いませんか?  日銀とはわが国の金融市場において、ありとあらゆる情報が集中してくる最強の組織です。その日銀の総裁と特定の投資ファンがつるんでいたとは・・・・。

  国民の金利収入を吸い上げる張本人が、自らはインサイダー取引を行っている投資ファンドに参加し、多額の利益を得ていたとは・・・・。呆れて開いた口がふさがりません。しかも政府はこんな中央銀行総裁を擁護し、国民も厳しく追及しようともしない・・・・。

  柳沢厚生労働大臣の「産む機械」発言には国民はあれほど怒りを顕わにしたのに対し、この問題に関して国民の批判の声はさほど盛り上がりませんでした。

「産む機械」発言に関しては、一種のヒステリー的な感情的反発によって、あれほど批判が高まったものとは思いますが、問題の重要性という点では、福井総裁の問題の方が、はるかに悪質で重大な問題を孕んでいるのです。
しかるに今では国民もあきらめてしまって、そんなことがあったことすら忘れてしまっているような有り様・・・・。本当に日本国民は愚かというか、お人好しというか、物事の軽重すらまともに判断できない救いようがないバカか・・・・と思ってしまいます。


  おっとまた話が少し逸れてしまいました。元に戻しましょう。

  「銀行救済には全力を傾注した政府が、一般企業に対してはどうだったか?」ということでしたよね。

  企業の中には巨額の借金を棒引きしてもらったケースもありますが、多くは自助努力を余儀なくされてきたのです。このため各企業が行ったのは度重なるリストラ(人員整理)であり、コスト削減のための下請けイジメでした。(この平成不況下にあって日本一の利益を上げ続けた、かの自動車製造業のT社の下請けイジメが熾烈を極めたことは有名な話です。ナンバーワン企業がこの有り様です。あとは推して知るべし・・・・。)

  しかしそれだけでは限界があり収益は回復しません。最も基本となる売り上げが伸びないことには始まりません。

そこに神風が吹いたといいますか、米国と中国の景気が大きく好転したのです。その結果は自動車・電機等の輸出が増加し、これら輸出型企業群を中心に収益が大きく改善し始めました。それが周辺製造業までにまで浸透してきたのが最近の状況です。

  要は小泉構造改革によって景気が好転したのではなく、米国、中国の好景気に便乗できたことによって、日本の景気が好転したのです。(あくまでも表面的な統計上の意味ですが・・・・)

  このことは実は政府・自民党も良くわかっているんです。だから財政再建のための税制見直しにおいて、日本国民一般に対する定率減税は廃止したのに対し、企業の法人税減税は据え置いたのです。「企業収益の好転した今こそ、法人税減税が初めて企業にとってそのメリットを享受できるような状況になったのであって、それを廃止するとは何事だ! 銀行にはあれだけ優遇策を施しておいて、他の一般企業には何もないのか?! そんなことをすればも支援はしないぞ!!!」と財界から圧力をかけられたのは間違いありません。


  何度もいいますが、現在の好景気はある意味蜃気楼のようなものだと思います。政府は「自らの政策が正しく効果的であった。小泉構造改革がこの好景気をもたらしたが故に更に改革を推進すべきである。」ということを喧伝したいという意図が見え見えですから、好景気・好景気と盛んに言いますが、何と言っても、国民の可処分所得が減少し、個人消費が落ち込んだままの状況がどうして好景気なのか?誰が考えたっておかしい話です。

  これに対して、政府は盛んに「上げ潮政策」なる言葉を使って、今は個人にまで好景気の恩恵は届いていないが、企業業績が持続的に回復していけば、必ず個人所得に反映し、可処分所得は増加する・・・・。というロジックで説明していますが、これがいかに嘘っぱちかは、財界の提唱するホワイトカラー・エグゼンプションや、最低賃金制度の見直し保留等々次々と労働者に対する人件費削減策の導入方針を見ても明らかです。 

  このような政府・自民党の詐欺師的プロパガンダは今始まったことではありません。かつては小泉前首相が、「国民の皆さん、しばし痛みを我慢してください。構造改革が進んだ折には、その先に必ず幸せな未来がまっているのですから・・・・。」と言いながら、国民には痛みだけが押し付けられ、年金・医療・介護・福祉といったあらゆる場面で、負担だけは増加し、一方で享受しうるサービスがどんどん低下、更にはその制度自体が崩壊の危機に瀕しているというのが現状です。これに対して小泉前首相はどのような責任をとりましたか?  結局は何にもしないまま、ほったらかしてドロンです。海外でゆっくりと余生を過ごすという話も聞こえてきます。まるで植木等の「お気楽・いいかげんサラリーマン」の映画を見ているような気分です。

  政府・自民党は国民がバカだということを充分知っているのでしょうねえ。何度騙しても黙ってついてくると・・・・。このままバカにされたままでいいのでしょうかね?私はイヤですけど・・・・。


  話を景気の動向に戻しましょう。私は冒頭で、「この好況が極めて不確定要素の強いもので、風向き次第ではあっという間に腰折れしてしまう脆弱なものだ。」と言いました。先だっての2007年2月27日の中国市場における株の大暴落に端を発した世界同時株安は、「いよいよ中国バブルの崩壊か?」という兆しのように思います。米国経済もそろそろ息切れしてきており、そこに中国バブルの崩壊ということになれば、日本のこの好景気なるものが果たして持続可能なものなのか?大いに興味深い事態になってきました。

  私は企業体力を回復してきた日本企業の底力と、仕掛り中の設備投資等もあり、2007年はほぼも横ばいに推移するかとは思いますが、その後は再び下降局面に向かうのではないかと予想しています。

  しかるに、このような環境下、東京都心では再び土地バブルが出現しつつあるようです。まあ金持ち同士が損した・得したで終わってくれる分には、別に問題はありません。それが一般住宅地にまで波及してくるとちょっと先が思いやられます。政府の失政のせいで、一般個人がバブルでどれだけ傷ついたか・・・・。

 次回はそのあたりを考えて、結論に向かいたいと思います。


第2話その5 了

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2012/09/20 08:30

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